孤独か、それに等しいもの
2004年5月28日 読書
ISBN:4048735306 単行本 大崎 善生 角川書店 2004/05 ¥1,470
自分はこの人が好きなので、「聖の青春」から読んでいます。もともと将棋が好きだったのでこの人は昔から(将棋連盟の雑誌編集長だった時から)知っていました。そして「聖の青春」「将棋の子」で将棋の話を書いた後、「パイロット・フィッシュ」や「アジアンタム・ブルー」を書きました。一応この人の本はある程度読んでいます。
まあこの人の本は「暗い」です。登場する男も女も。僕はそういうのが好きなんでいいですが。でもこの人の文章はまだ救いがある。暗いシチュエーションの中にも突破口がある。そういうのって表現するのが凄く難しいんですよね。その辺は「人生経験の差」っていうものなんかなと思います。その辺りはしっかり答えが出ている。
最近「恋愛小説」が流行ですよね。大崎善生もそうだし、片山恭一もそうだし、本田孝好もそうだし。特徴としては、
?内容は人が死ぬものが大半。その喪失感がモチーフ
?やけに哲学的な登場人物(薀蓄を語る主人公が多い)
?装丁が綺麗
?すぐ読める
ぐらいかなと思います。
まあ僕もこの手の話は実体験的には素人なのですが、勝手な想像でこういった本が流行るのを見てると、いろいろなことを考えることが出来ますね。
まずは「内容の薄さ」についてです。
これは一番最初に片山恭一を読んで思ったのですが、「とてつもなく内容が薄い」というのが最初の感想でした。確かに人が死ぬのは悲しいし、それが愛する人ならばなおさら、ということもあるかと思います。しかしそれでもやはり「内容の薄さ」はカバーしきれないなと思いました。まあ逆に考えてみると「こういった内容で感動できる人は純粋で羨ましい」ということになるのでしょうか。こういった内容は90年代にトレンディードラマで育った世代(現在40歳台)、読書暦の浅い人対象なのかなと思います。現代人に分厚い本を読めって言うほうが無理かもなあ。
次に「人の死」をよく扱うことについてです。
よく「死の感覚が希薄になった」と最近よく言われますが、そういった感覚がこれらの小説に表れているのかと思います。「死をリアルに、美しく書く」というのは相当難しいことだと思います。自分は人の死を看取ったことはないですが、実際はもっと厳しい場面であることは想像に難くないです(実際そういうケースを体験したことのある友達から聞いた話でもそういうようです)。
でもこういった話っていうのは日本人受けするテーマなのかなと思いますね。自分も泣きはしなかったけど考えさせられることはありましたしね。それが目的であるのならこの本の目的は達せられているのかと思います。
あとこういう本は「オブジェとして持っていることに価値がある」かもしれません。ちょっとしたオシャレのような感じで持て、しかも読める、そういったものが今の世の中に受け入れられるのかと思います。まあ個人的にはあまりいい気はしませんが…。
なんか誉めてるのか批判してるのかわからなくなってきたな…。まあ大崎善生はお勧めしておきます。なかなか味があります。願わくば「聖の青春」「将棋の子」を読んでほしいですね。あれは素晴らしいです。不覚にも泣いてしまいました。話は両方とも知っているのですが、マジで素晴らしいです。こういう本をまた書いてほしいですね。まあこういう本を書けることがわかっているから恋愛本もそれなりに受け入れることができるのかなとは思いますが。
あっそうそう、僕が買ったのこの本は大崎善生の
サイン入りなんですよ。そこに書かれている言葉は、
「強く、自由に、誇り高く」
そんな風に生きられたなと思います。
自分はこの人が好きなので、「聖の青春」から読んでいます。もともと将棋が好きだったのでこの人は昔から(将棋連盟の雑誌編集長だった時から)知っていました。そして「聖の青春」「将棋の子」で将棋の話を書いた後、「パイロット・フィッシュ」や「アジアンタム・ブルー」を書きました。一応この人の本はある程度読んでいます。
まあこの人の本は「暗い」です。登場する男も女も。僕はそういうのが好きなんでいいですが。でもこの人の文章はまだ救いがある。暗いシチュエーションの中にも突破口がある。そういうのって表現するのが凄く難しいんですよね。その辺は「人生経験の差」っていうものなんかなと思います。その辺りはしっかり答えが出ている。
最近「恋愛小説」が流行ですよね。大崎善生もそうだし、片山恭一もそうだし、本田孝好もそうだし。特徴としては、
?内容は人が死ぬものが大半。その喪失感がモチーフ
?やけに哲学的な登場人物(薀蓄を語る主人公が多い)
?装丁が綺麗
?すぐ読める
ぐらいかなと思います。
まあ僕もこの手の話は実体験的には素人なのですが、勝手な想像でこういった本が流行るのを見てると、いろいろなことを考えることが出来ますね。
まずは「内容の薄さ」についてです。
これは一番最初に片山恭一を読んで思ったのですが、「とてつもなく内容が薄い」というのが最初の感想でした。確かに人が死ぬのは悲しいし、それが愛する人ならばなおさら、ということもあるかと思います。しかしそれでもやはり「内容の薄さ」はカバーしきれないなと思いました。まあ逆に考えてみると「こういった内容で感動できる人は純粋で羨ましい」ということになるのでしょうか。こういった内容は90年代にトレンディードラマで育った世代(現在40歳台)、読書暦の浅い人対象なのかなと思います。現代人に分厚い本を読めって言うほうが無理かもなあ。
次に「人の死」をよく扱うことについてです。
よく「死の感覚が希薄になった」と最近よく言われますが、そういった感覚がこれらの小説に表れているのかと思います。「死をリアルに、美しく書く」というのは相当難しいことだと思います。自分は人の死を看取ったことはないですが、実際はもっと厳しい場面であることは想像に難くないです(実際そういうケースを体験したことのある友達から聞いた話でもそういうようです)。
でもこういった話っていうのは日本人受けするテーマなのかなと思いますね。自分も泣きはしなかったけど考えさせられることはありましたしね。それが目的であるのならこの本の目的は達せられているのかと思います。
あとこういう本は「オブジェとして持っていることに価値がある」かもしれません。ちょっとしたオシャレのような感じで持て、しかも読める、そういったものが今の世の中に受け入れられるのかと思います。まあ個人的にはあまりいい気はしませんが…。
なんか誉めてるのか批判してるのかわからなくなってきたな…。まあ大崎善生はお勧めしておきます。なかなか味があります。願わくば「聖の青春」「将棋の子」を読んでほしいですね。あれは素晴らしいです。不覚にも泣いてしまいました。話は両方とも知っているのですが、マジで素晴らしいです。こういう本をまた書いてほしいですね。まあこういう本を書けることがわかっているから恋愛本もそれなりに受け入れることができるのかなとは思いますが。
あっそうそう、僕が買ったのこの本は大崎善生の
サイン入りなんですよ。そこに書かれている言葉は、
「強く、自由に、誇り高く」
そんな風に生きられたなと思います。
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