05月24日付 朝日新聞の報道「家族会などが集会、「力を貸して」と訴え 東京・渋谷で」へのコメント:

この問題も厳しいですね。首相筋も(援助をたやすくあげ過ぎではという批判はもっともです)できる事はあのぐらいだったと思います。
しかも家族会の批判も心情的にはよくわかります。そりゃそうですよね。家族が何十年も離れ離れになってるのですから。

そうなると「今回の結果」を生み出した原因は何なのか、ということですが、自分は「北朝鮮の交渉のうまさ」と「日本側の調整不足」の部分だと思います。

「北朝鮮の交渉のうまさ」は(別に誉めているのではないですが)原則が決まっています。それは「最小限の犠牲で最大の成果」というある種ビジネスライクな原則にのっとっています。最大の目的は「体制の維持」であるから、そのためには何でもやるということです。今回の交渉でも「人質」の返還をいかに高くつけるかという条件闘争に持ち込み、ある程度の成果を挙げたというわけです。

一方の日本ですが、上で「調整不足」と書きましたが、「時間不足」だったのではないかと思います。首相訪朝もやや急に決まった感があり、アメリカとの調整時間がなかったというのが実際のところではないかと思います。

まあアメリカもイラクで虐待があったから軍紀の運用が厳しくなるのもわかります。ジェンキンス氏を公に許すとも言いにくいアメリカ世論もあるのでしょう。

そこで「調整」というものが出てくるのだと思います。「第3国での再会」というのも調整の一環だと思いますが、ややアメリカとの調整が疎かになったのだと思います。それが「時間不足」です。

でも外務省も忙しいですよね。例えば藪中「アジア大洋州」局長ですからね。アジア地域を一手に引き受けるのも大変ですよね。普通に考えても大変だよなと思います。しかもマスコミからは筋違いの批判しかされないですから。

自分もあるサークルで(サークルというよりもNPOという側面の強い団体ですが。これだけ聞いてわかる人は同じサークルの人だと思います)現在副代表として活動しているのですが、ほとんどが「部局間の調整」
に費やされます。また仕事の量に比して人が少ない。そういったことを経験したことがあるので、外務省を無下に非難するというのも筋違いかなと思うのです。だったら自分でやってみろよとそういう人達に言ってみたいですね。

さてこれからどうすればいいのかという話ですが、
・再調査の継続(当然日本が主体的に絡めるように)
・北朝鮮の国際社会の枠組みへの復帰要求
を「支援」「制裁」のバランスの上にやっていく、ということになるのだと思います。当然国際社会との強調も忘れてはいけません。やはり頼りになるのは欧米、アジア(中国韓国ではなくむしろその周辺国のほうが支持を得やすいのではないかと思います。遠交近攻というやつです)でしょうか。

ネットなどで世論の動向を見てみると、全体としては「首相の訪朝を支持」ということでしたので、「以外と冷静だな」というのが実感です。やや家族会に対する批判が多いのが特筆すべき事項ですが、これは「批判の言葉がストレートすぎて耳に障る」という性質のものでしょう。

批判の言葉は抑制が効いている方が心を打つというのはよくあることです。自分も家族会の言葉よりも、曽我さんの一言のほうに心を打たれました。あれはスゴイと思います。普通の人はあの状況であんなこと言えません。今回の件で一番心を打たれました。

民主党は今回の件で首相を非難してますが、自分の予想では政権を取ったら今回の訪朝以下の成果しか得られないと思います。何故か?それは今までの発言や他のケースにおける対応を考えてみたらよくわかると思います。(年金におけるむやみやたらにハードルをあげて自分達がそれにひっかかっているというのだけでよくわかると思います)

ここで自分が同じ立場に立ったらどのような判断を下すのか。その根拠は何なのか。それを考えると外交の難しさや醍醐味などがよくわかるのだと思います。ただの批判ではなく代案も出てくると思います。

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